「子育てのきほん」佐々木正美・著(2019)ポプラ社
という本を紹介します。
題名の言葉は、カバーのそで(表紙を開いた裏の部分)に
書いてあった言葉です。
今日はこの本から、私が学んだことをお伝えしていきます。
55にもなる「子育てのきほん」
著者の佐々木正美さんは、児童精神科医です。
また、地域の親子との学び合いにも尽力されたそうです。
専門は児童青年精神医学、ライフサイクル精神保健、
自閉症治療教育プログラム「TEACCH」研究。
そして、様々な賞もとられていらっしゃる方です。
この本は
- 第1章 母と子どものきずな
- 第2章 家族の中で育つ子ども
- 第3章 子どもと社会のつながり
- 第4章 親のふるまいと子ども
の4章構成となっています。
そして、合わせて55にもなる「子そだてのきほん」が載っています。
ただ、ひとつひとつは2~3ページの短い文章で成り立っていますし、
前後が関連しているものもありますので
非常に読みやすいです。
目次から、気になるところだけ読むのもいいと思います。
私の印象に残ったもの3選
「お母さんは、子どもが喜ぶことをしてあげるだけでいいのです」
お母さんは、子どもが喜ぶことをしてあげるだけでいいのです
第1章 母と子のきずな 6 P29
これを見たときに、「自分はそれができているだろうか?」と思いました。
もちろん、できる限り子どもが喜ぶことをやってあげたい。
そういう気持ちは強くあります。
でも、息子が「遊ぼう」「見て」と言うときにすぐ答えられているか
と言ったらそうではないし、
大人しくしているときは、放っておいてしまうこともあります。
本書では、次のように書いてあります。
お母さんが「子どもを喜ばせよう」と、一途に考えて育てた子は、乳児期をすぎ、幼児期から少年期になっていても、非常に気持ちが安定し、思いやりのある子に育っていくようです。
P33-34
これを読むと、このことは乳児期を前提として書いてありますが、
幼児期でも同じだと思います。
もっと子どもといるときの時間を大切にしようと、思いました。
「子どもが望んでいる親になろう」
「こうあってほしい」「こう育ってほしい」と願うばかりになってしまうのですね。けれども本当は、いつも、子どもが望んでいる親になろう、という気持ちで育ててあげたほうが、結果的に子どもはいい子に育つんですよ。
第3章 子どもと社会のつながり 44「親が9割手伝って、最後の1割ができればほめてあげましょう」P195-196
「子どもが望んでいる親になろう」と見たときに、はっとしました。
そんなこと考えたこともなかったからです。
確かに我が子には「こういう子に育ってほしい」という思いはあります。
でも逆を言えば、子どもにだって「お母さんにこうして欲しい」というのは
もちろんあります。
先ほどの「遊ぼう」「見て」も、そうですよね。
つまり「求めたときにすぐ応えてくれる」
これは、子どもが親に望むことのひとつではないでしょうか。
「息子が私に何を望んでいるか」
これは、客観的に認識したことがなかった視点なので
意識してみようと思います。
「まず与えられるべきは母性的な『受容』」
家庭でじゅうぶんに母性的なものを与えられていない子どもは、保育園、幼稚園、学校といずれの場所でも、決まりや規律を守ることが下手です。そういう部分をみると、親はさらに父性原理を持って、子どもを叱り、ルールを教え込もうとするようになる。これは悪循環を生みます。本当にダメです。
まず与えられるべきは母性的な「受容」なのです。
第4章 親のふるまいと子ども 52「子どもには、まず母性的なものを先にじゅうぶんに与え、その後から父性的なものを与えるべきです」P232
母性というのは、「受容」のことなのですね。
言い換えると「すべてを認めてもらう」「許してもらえる」「なにをしてもいつも見守ってもらえる」という感情を育てるべきなんだそうです。
このような「母性的なものを、小学校に上がるまではいっぱい与えてやってほしい」と
本書には書いてありました。
私は「きちんとさせなきゃ!」という思いが強くなってしまうこともあるので
もっと優しく接しようと思いました。
目に見えていることが全てではない
『おばあちゃん世代が「そんなに抱っこしていたら抱きグセがつく」と言うかもしれませんが、そんなことはありません。たくさん抱っこしてあげてください。』というようなことを
母親教室か何かで聞いたことはありませんか?
これは 「だっこをたくさんする→それに慣れて要求してくるだろう」
というようなことが予想されているからですよね?
先ほどの受容でありました「叱ってしつける」では、「→叱らないとできるようにならない」
というようなことが予想されるので、親がやりがちなことなんだと思います。
でも実際には、「だっこをたくさんする→子どもが安心して親から離れる」
先ほどの受容の話では、
「優しく受容してもらった経験をたくさんもつ→ルールや規律を守れる」
というように、私たちの目に見えていることが全てではないのです。
もっと子どもの心と成長は複雑なのですね。
でも、複雑でも私たちがやることは決まっています。
「子どもを優しく受容し、子どもが望むことを考えてやってあげる、
子どもとの時間を大切にする」
これに尽きるのではないでしょうか。
もちろん私たち親も人間で「いつもいつも子どもファーストでやってられない!」と
思うこともあると思います。
しかし、これからの成長の土台となるものを築いていくのが乳幼児期だということは、
忘れてはいけないと、思います。
また本書には「お母さんがフルタイムの仕事をしていて、子どもと接する時間が短いから、与えられる母性が少ない、ということはけっしてありません。」P213
と書かれています。
私も短時間勤務ですが、働いていますので、
息子といっしょにいられる時間は夕方から夜にかけてです。
限られた息子との時間を、大切にしていきたいです。
それでは、今日も笑顔で^^
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